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ステム前捻角を機能的前捻角と考慮することができるか?
Can anatomic measurements of stem anteversion angle be considered as the functional anteversion angle?
上村 圭亮
1
K. Uemura
1
1奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域生体医用画像研究室
1Graduate School of Information Science, Nara Institute of Science and Technology, Ikoma
キーワード:
THA
,
stem anteversion angle
Keyword:
THA
,
stem anteversion angle
pp.276-278
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_276
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【要 旨】
目 的:ステム前捻は人工股関節全置換術(THA)の際に調整されることが多いが,大腿骨回旋によってステム前捻と機能的な前捻は大きく異なるものになる可能性がある.そのため,THA前後の大腿骨回旋角を仰臥位,立位において調査した.
対象および方法:変形性股関節症(OA)に対してTHAを施行した174例191股を対象とした.大腿骨回旋角は大腿骨後顆と両上前腸骨棘を結ぶ線の間の角度とし,大腿骨の外旋を+と定義した.THA前後の仰臥位,立位における大腿骨回旋角を計測し,その角度が仰臥位・立位ともに±15°以内の症例数を計算した.
結 果:術前大腿骨回旋角は仰臥位:0.3°±8.3°,立位:−4.5°±8.8°,術後大腿骨回旋角は仰臥位:−3.8°±9.0°,立位:−14.3°±8.3°であった.大腿骨回旋角が仰臥位・立位共に±15°以内の症例は術前134股(70%),術後85股(45%)であった.
結 論:大腿骨回旋角には症例ごとのばらつきを認め,術後半数以上が±15°以内でなかった.ステム前捻角と機能的な前捻角には大きな違いがある可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020