臨床経験
脛骨顆間隆起骨折の処置と予後
水島 斌雄
1
,
伊勢亀 冨士朗
1
,
末安 誠
1
,
磯田 功司
1
,
竹田 毅
1
,
海村 昌和
1
Takeo MIZUSHIMA
1
1田園調布中央総合病院整形外科
pp.986-992
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905603
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
脛骨顆間隆起骨折は,単なる関節内骨折ではなく,前十字靱帯剥離骨折である場合が多く,その治療にあたつては,膝関節の特殊な解剖,機能についての充分な認識が必要である.
膝関節の運動は,矢状面における屈伸運動と,水平面における回旋運動の複合運動で,特異な骨格機構と,内,外側側副靱帯,前,後十字靱帯,内,外側半月等の構成体によって,巧妙に制御,誘導されている.これらの制御誘導機構は,いずれも単独で作用するわけではなく,お互いに同調して,他の関節に見られない独特な運動性と安定性を保つている.従つて,これらの骨格機構,靱帯,半月の一部に破綻が生じると,膝関節の異常運動や不安定性を生じ,外傷性膝関節炎,ひいては変形性膝関節症発生の誘因ともなって来る.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.