論述
後十字靱帯脛骨付着部の単独剝離骨折について
鳥巣 岳彦
1
,
加茂 洋士
1
,
平井 啓
1
,
佐藤 護彦
1
,
川島 真人
1
,
馬庭 昌人
1
Takehiko TORISU
1
1九州労災病院整形外科
pp.757-764
発行日 1977年8月25日
Published Date 1977/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905569
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後十字靱帯の単独損傷は稀であり,特に後十字靱帯脛骨付着部の単独剥離骨折は極めて稀であると考えられている.事実O'Donoghueは12)膝関節の靱帯損傷88症例の内で後十字靱帯の単独損傷はわずかに3例であつたと報告し,Solonen等は16)90症例中3例であつたと記載している.しかしTrickey14)やSmillieは15)この種の損傷が稀であるとの印象を与えているのは誤りであり,発生頻度はもつと多いはずである.多くが誤診され,あるいは見落されているためであろうと述べている.
今回当院での後十字靱帯の脛骨付着部の単独剝離骨折の21症例の治療成績を追跡調査し得たのでここに報告するとともに受傷機転,手術の適応,手術方法などについて考察したい.
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