Japanese
English
症例報告
大腿骨遠位後十字靱帯付着部に発生した軟骨芽細胞腫の1例
Chondroblastoma Located in Distal End of Femur Adjacent to PCL : A Case Report
鈴木 孝治
1
,
葛城 良成
1
,
川村 大介
1
,
片山 直行
1
,
三浪 三千男
1
,
松野 誠夫
1
,
松野 丈夫
2
Koji Suzuki
1
1北海道整形外科記念病院
2旭川医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido Memorial Hospital
キーワード:
chondroblastoma
,
軟骨芽細胞腫
,
calcium phosphate cement
,
リン酸カルシウム骨ペースト
,
posterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
Keyword:
chondroblastoma
,
軟骨芽細胞腫
,
calcium phosphate cement
,
リン酸カルシウム骨ペースト
,
posterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
pp.107-111
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100626
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抄録:大腿骨遠位後十字靱帯付着部に発生した軟骨芽細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は24歳,男性.2001年4月頃より誘因なく,左膝最大屈曲時に痛みを感じた.単純X線像で大腿骨骨端部内顆外側に円形の溶骨性病変を,CTで斑点状の高輝度像を,MRIではT1,T2で低信号部に中等度信号を認めた.腫瘍の増大の可能性,確定診断のため関節切開による手術を行った.PCLの機能を障害しないように腫瘍を掻爬し,リン酸カルシウム骨ペーストを充塡した.病理所見では軟骨芽細胞腫に特徴的な円形~卵円形の核を有し,好酸性の胞体をもつ境界明瞭な腫瘍細胞やchicken-wire calcificationが認められた.骨欠損部分の充塡材料としてのリン酸カルシウムペーストは移植骨,人工材料に比べ様々な利点を有する.荷重部に使用するには異論もあると思われるが,本症例のように非荷重部への利用は有用であると思われた.
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