臨床経験
墨汁法による完全切除を試みた軟部および骨悪性腫瘍の22例—中間報告
荻野 幹夫
1
,
古谷 誠
1
,
浅井 春雄
1
,
蜂須賀 彬夫
1
,
村瀬 孝雄
1
,
笹 哲彰
1
Mikio OGINO
1
1国立病院医療センター整形外科
pp.1125-1129
発行日 1976年12月25日
Published Date 1976/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905446
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要約
①現在までに軟部原発性悪性腫瘍とこれに準じる再発性腫瘍および骨原発性悪性腫瘍の軟部にまで及んだものの22例に完全切除を墨汁法をもつて試みた.
②本法の実施要領を述べた.
③全例22例中完全切除が確認されたのは20例であり,その中遠隔転移で死亡した1例と局所再発1例以外は全例再発なく生存している.
④本法の特によい適応と思われるのは,分化型線維肉腫やそれに準じる腫瘍であり,放射線や化学療法による治療効果の少いものによいと考える.
⑤切断との優劣は論じられないが,④に述べた適応例では,切断に劣らない治療成績が期待される.
⑥初回の手術が最良の根治の機会である.
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