臨床経験
先天性が疑われる小児軟部悪性腫瘍の2例
荻野 幹夫
1
,
蜂須賀 彬夫
1
,
古谷 誠
1
,
浅井 春雄
1
,
村瀬 孝雄
1
,
笹 哲彰
1
,
小坂 正
1
Mikio OGINO
1
1国立病院医療センター整形外科
pp.523-527
発行日 1978年5月25日
Published Date 1978/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905719
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はじめに
先天性悪性腫瘍はすべての種類のものを合わせても,少数で稀なものである14).その中でもとくに四肢に原発するものは少ない14).厳密な意味では,先天性悪性腫瘍とは胎児期にすでに腫瘍の発生したもののみを指す言葉である11,14)が,実際には病変の存在に気付かれた時期が生下時より新生児期までのもので,病変の悪性腫瘍であることが同時期に組織学的に確認されたものをいうべきであろう.先天性四肢悪性腫瘍は同一の組織像を示す成人の場合に比べ予後が良好で,適切な外科的処置を取れば救命し得るものの多いこと6)が知られている.本文の目的は,先天性と思われる四肢軟部悪性腫瘍の2例の報告と文献の考察を行なうことである.
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