特集 腰部脊柱管狭窄の諸問題
腰部脊柱管X線計測法の再検討
辻 陽雄
1
,
宮坂 斉
1
,
山本 日出樹
1
,
栗原 真
1
,
西山 徹
1
,
佐々木 健
1
Haruo TSUJI
1
1干葉大学医学部整形外科学教室
pp.686-693
発行日 1976年8月25日
Published Date 1976/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905381
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I.腰椎椎管狭窄の概念と計測の意義
Vcrbiest(1954)18,19)がdevelopmental narrownessとして注目した腰椎管の狭小例は,たとえそれが二次的な骨の肥厚増殖によつて修飾されているにせよ,椎管前後径がHuizinga7)(1952)の正常屍体における計測値の下限以下であつたことは本来の(狭義の)骨性狭窄があることを明らかに示している.J. A. Epsteinら2)(1962)は50本の骨骼標本の観察から,とくにlateral recessの狭小化を強調し,その後諸家の研究3〜6,8〜12,14〜17,20,21)が追加されて結局,腰椎椎管狭窄は椎弓,椎間関節突起の肥厚性変化,それにもとづくrecessの狭小化,椎管の三角状扁平化などが中心的な変化であつて,それに附加的に黄靱帯肥厚,椎間板膨隆や骨棘などが加わつて,より機能的有効椎管を狭いものにするものと結論できる.
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