臨床経験
Proximal-row carpectomy
木野 義武
1
,
三浦 隆行
1
,
前田 敬三
1
,
中村 蓼吾
1
,
駒田 俊明
1
Yoshitake KINO
1
1名古屋大学医学部付属病院分院整形外科
pp.643-648
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905375
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緒言
陳旧性月状骨周囲脱臼,Kienböck病および舟状骨偽関節等により発生する手関節の疼痛,運動制限,筋力低下に対する治療法はいろいろ報告されているが,その選択適応の決定はむつかしい.これらの原疾患に対しStamm(1944)がはじめて報告したProximal-row carpectomyは,Stack(1948)により月状骨周囲脱臼9関節に対する優秀な成績が報告されて以来,積極的に行われるようになり,これまでにもMcLaughlin(1951)3例,Crabbe(1964)20例,Campbell(1965)8例,Jorgensen(1969)25例等の報告があるが本邦におけるまとまつた報告は無い.
われわれは過去6年間に,その手術侵襲に対する懸念から適応を厳しく限定して10症例に,proximal-row carpectomyを施行しその術後平均観察期間も3年2カ月となつた.この機会に10症例の術後成績に検討を加え,本法の適応について考えたい.術後成績の評価として,術前,術後の握力,関節の可動域,疼痛,レ線所見等につき検討した.
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