臨床経験
Dupuytren拘縮に対するenzymic fasciotomy
前田 敬三
1
,
三浦 隆行
1
,
本野 義武
1
,
中村 蓼吾
1
,
駒田 俊明
1
Keizo MAEDA
1
1名古屋大学分院整形外科
pp.685-688
発行日 1973年8月25日
Published Date 1973/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904877
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Dupuytren拘縮の治療にはその原因の探究と共にあらゆる方法が試みられてきたようである.保存的療法としては種々の理学療法のほかにビタミンE11),副腎皮質ホルモン3,4,14)などをはじめとする各種薬物の局所あるいは全身への投与が行なわれたがあまり効果をあげてはいないようである.また放射線照射なども病勢の進行をとどめ寛解させる効果があるといわれて単独ないしは手術療法との併用が行なわれている.しかし確実な結果を得るには観血的治療に優る方法はないとされて近年はほとんど手術的療法が一般化されている.手術療法としては手掌腱膜の切離,部分切除,全切除などの方法があるが切離,部分切除には不充分な結果と再発,全切除には術後の機能障害などが問題として残るようである6,7,8,10,12,13),手術の効果を充分にあげるためには当然のことながら年齢,全身状態を考慮する必要があるが,手術自体が症例によつては禁忌とされる場合があり,RA,てんかん,アルコール中毒,血管疾患のある患者では禁忌かあるいは手術を行なつても良好な結果は期待できないとされている.
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