論述
Silicone rod使用による手指屈筋腱再建について
中村 蓼吾
1
,
前田 敬三
1
,
三浦 隆行
1
,
木野 義武
1
,
駒田 俊明
1
Ryogo NAKAMURA
1
1名古屋大学医学部分院整形外科
pp.902-907
発行日 1973年11月25日
Published Date 1973/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904905
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重度の手指屈筋腱損傷に対し通常のfree tendon graftを行なうと癒着が強く,指関節の可動性がほとんど得られないことが多い.この問題を解決するため,手術手技,手術方法あるいは術後管理などに色々の工夫が試みられてきたが,手術方法については現在行なわれている主なものに 1)silicone rodを挿入し,その周囲に形成された,いわゆるpseudosheath内へfree tendon graftを行なう方法.2)浅指屈筋腱と深指屈筋腱を一次的に手掌部で縫合し,二次的に浅指屈筋腱を用いて,free tendon graftを行うtwo stage tenoplasty9),3)1)2)の両者を組み合わせた方法などがある.
著者らもこれらの方法を臨床的に試みてきたが,今回,家兎を用いsilicone rodにより形成されるpseudosheathの形成過程や,その癒着防止効果の有効性や限界を検討するため,実験的研究を行ない,あわせて,1968年以来行なつてきた,silicone rodを用いた手指屈筋腱再建術の臨床成績を検討した.
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