臨床経験
Malignant Melanomaについて—整形外科の立場より6例の自験例を中心として
荻野 幹夫
1
,
古谷 誠
1
,
浅井 春雄
1
,
蜂須賀 彬夫
1
,
笹 哲彰
1
,
村瀬 孝雄
1
,
広川 浩一
2
,
高橋 真理子
2
,
井上 肇
3
,
土居 通泰
4
Mikio OGINO
1
1国立病院医療センター整形外科
2国立病院医療センター皮膚科
3聖路加国際病院整形外科
4都立大塚病院整形外科
pp.347-354
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905336
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はじめに
Malignant melanoma(またはmelanocarcinoma.以下m. m.と略す)は,melanin形成能を持つ細胞に由来する腫瘍(melanoma)中,悪性のもので,予後が不良なことと,鑑別を要する疾患が多いため,皮膚科では長い間注目されてきた.整形外科領域とは,①四肢軟部組織腫瘍,②骨転移の2つの場合にかかわり合いがあるが,②の多数例報告は少ない.また,①,②を問わず,melanin形成の少ないamelanotic melanomaに近いものでは,診断上問題がある.本文の目的は,m. m.の6例(骨転移例3例,非骨転移例3例)の報告をし,整形外科医に必要と思われる本腫瘍の臨床および病理像の知見を,文献的考察を加えつつ要約し,整理することである.まず自験例の報告をする.
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