臨床経験
大腿骨頸部骨折に対するSliding nail-plate法(Massie)による手術経験
三谷 晋一
1
,
白野 明
1
,
安田 賢一
1
,
楠本 剛夫
2
,
土方 浩美
2
,
佐藤 悠吉
2
,
市毛 彰
2
,
増渕 正昭
2
,
森崎 直木
2
,
福沢 玄英
3
Shinichi MITANI
1
1健保総合川崎中央病院整形外科
2東京女子医科大学整形外科学教室
3田浦共済病院整形外科
pp.335-346
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905335
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はじめに
大腿骨頸部骨折に対する内固定法の1つにsliding nail法がある.Sliding nailはnailが,barrel(円筒)の中でtelescopeするように工夫してつくられているため,術中の整復操作や術後の骨折治癒過程において骨折面に加わつたimpactionが術後にその部位において骨の吸収が生じてもそのまま継続され(Dynamic impaction),骨癒合の促進(Faster bony healing)に有利に働くという利点がある.
最近,大腿骨頸部骨折の新鮮例に対し術後合併症や長期成績に関して問題点の少なくない人工骨頭置換術および偽関節形成,変形治癒aseptic necrosis等の発生頻度が高かつたり,mechanicalな面においても問題点の多い従来のrigidな固定法に代つてsliding nail法が一部で行なわれており,比較的良好な成績が報告されている.
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