臨床経験
先天性進行性化骨性筋炎に対するパロチンの効果の検討
田那村 宏
1
,
山本 龍二
1
,
片山 国昭
1
,
片山 雅宏
1
,
鈴木 純一
1
Hiroshi TANAMURA
1
1東急病院整形外科
pp.277-282
発行日 1976年3月25日
Published Date 1976/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905326
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要約
1)2歳より14歳に至る12年間パロチンを投与し続けた先天性進行性化骨性筋炎の1例を経験した.14歳の現在一部の障害を除いて学校生活,日生活は可能である.
2)パロチン投与下にあつては化骨の進行は徐々であるが,投与の停止で化骨形成が進行した.しかし再度の投与によつて,愁訴の消失をみた.これらのことよりパロチンはある程度は化骨形成を抑制する力があると推定した.
3)本疾患に対する局所の外科的侵襲は再発や,さらに病状を悪化するとされているが,パロチン投与下においては,化骨剔出部の再化骨や増悪は認められなかつた.
4)本疾患に対する適切な治療法がない現在,治療にパロチンを試みるのも一方法ではないかと考える.
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