医学の話題
パロチン,他
S
pp.52
発行日 1958年1月15日
Published Date 1958/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910522
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昔から唾液腺は膵臓と密接な関係があるものとされて来て,いわゆる“つば”としての外分泌の外にホルモンを内分泌するであろうことは,色々予測されたことであるが,これを形態挙的に研究し,世界で始めてこの唾液腺内分泌の存在を証明したのは今回,文化勲章を受章された緒方氏である。氏の研究に緒を発して,その有効成分が分離され唾液腺(パロチス)より出るホルモンということでパロチンと命名された。
その生理作用はなお我が国広くで研究の途上にあるが今迄にみとめられたものには,血中のカルシウムの濃度を下げることと,白血球数を増加させることである。このカルシウムに対する影響は特に近年興昧を増加しつつある老人病と関連していろいろの意味で注目されている。
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