論述
Zuggurtungを応用した指関節固定法と指骨ならびに中手骨骨折の固定法について
伊藤 晴夫
1
,
坂野 克彦
1
,
服部 順和
1
,
石田 義人
1
,
横江 清司
1
,
杉浦 保夫
2
Haruo ITOH
1
1名古屋掖済会病院整形外科
2名古屋大学医学部整形外科学教室
pp.965-974
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905266
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Zuggurtungの原理は元来建築学に広く用いられており,1963年Weberはその原理をコンクリート柱と鋼線により説明し,詳細な研究を発表した.またPauwelsは1945年に人体における応用を,さらに1965年には30年間の自験に基づく骨折治療の成績を発表しその優秀性を強調した.Weberによれば膝蓋骨骨折に対してはすでに1919年Steinmanが,その後Hachez-LebiancがZuggurtungによる固定法を提唱している.
本邦においては坂野,柏木,桜井らにより膝蓋骨骨折,肘頭骨折,足関節果部骨折へ応用され,しだいに骨折の治療法として評価されるようになつてきた.1972年坂野によりZuggurtungの歴史とその原理が詳細に説明されその中ではじめて指骨骨折と指関節固定への応用が発表された.我々は症例を重ね,適応の拡大につとめてきわめて優秀な成績を得たので今回Zuggurtungの原理に合致せる中手骨骨折に対する応用を加えて述べる.
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