論述
脊椎管腔の大きさと腰部椎間板ヘルニヤの手術成績との関係
佐藤 光三
1
,
今泉 君義
1
,
船渡 恒男
1
,
善積 厚郎
1
,
岡本 敏男
1
,
佐竹 成夫
1
,
若松 英吉
1
Kozo SATO
1
1東北大学医学部整形外科学教室
pp.595-604
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905211
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腰部椎間板ヘルニヤに対する診断方法やその治療法は,一応完成されたかに思われる.特に,水溶性脊髄腔造影剤の開発は本症の診断上画期的な役割を果たしつつあるといえよう20).しかし,手術的加療に際し,脊柱の安定性をできるだけ損うことがないように,一般には開窓術が行なわれているが,少数例において,症状の改善が意外にもえられないのを経験することがある.
Verbiestらをはじめ,多くの人達が,脊椎管腔が狭い個体では小さな椎間板の膨隆でも神経根への影響が大であると報告している1,2,5〜10,13〜15).Davatchi3,4)は坐骨神経痛の症例では腰部脊椎管の前後径が対照群に比して狭いものが多いことを報告している.
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