論述
合併症からみたHinged Knee Arthroplastyの適応と問題点
広畑 和志
1
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
pp.397-405
発行日 1975年5月25日
Published Date 1975/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905177
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はじめに
最近では,生理的な膝関節の動きを無視するhinged arthroplastyは既に過去の産物であると主張する人も決して少くない.そこで,geometrictype, polycentric typeのものからさらに小さいduo- & unicondylar knee prosthesisが開発され,市場には既に60種以上のprosthesisが現れたが,既にあるものは使用されなくなつている.
確かに機構の上では,hinged prosthesisの欠点が論議され,これに対する批判も多い.しかし,慢性関節リウマチ(RAと略す)のように,軟骨面のみならず骨組織まで強く破壊されたり,膝のstabilizerである半月,靱帯まで損傷されると,関節端のみを置換しただけては,優れた支持性はなかなか得られない.そこで,hinged arthroplastyでは固定術後にみられるような歩行能力の改善と,適度の運動範囲が得られる利点のあることも強調されて来た.
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