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特集 変形性関節症の診断と治療――保存的治療から再生医療まで
Ⅴ章.手関節および手指の変形性関節症
3.Ligament reconstruction suspension arthroplasty
Ligament reconstruction suspension arthroplasty
村岡 邦秀
1
K. Muraoka
1
1福岡大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, Fukuoka University, Fukuoka
キーワード:
thumb CMC arthritis
,
arthroplasty
,
ligament reconstruction suspension arthroplasty
Keyword:
thumb CMC arthritis
,
arthroplasty
,
ligament reconstruction suspension arthroplasty
pp.595-597
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_595
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は じ め に
母指手根中手(CM)関節症は,日常診療において非常によく遭遇する疾患である1).進行すれば疼痛が生じ,握力/ピンチ力の低下により手を使った日常生活動作に支障をきたす.保存的治療が奏効しない場合には手術的治療を考慮することになるが,その目的は除痛および関節安定性の再建である.術式は多岐にわたり,第1中手骨骨切り術,靱帯再建術,大菱形骨切除関節形成術,関節固定術,人工関節手術などがあり,それぞれ良好な治療成績が報告されている2~4).そのなかでも欧米でもっとも多く選択されている術式はligament reconstruction tendon interposition,橈側手根屈筋腱を用いた大菱形骨切除靱帯再建術と報告されている5).当教室ではSoejimaらが長母指外転筋腱を用いた大菱形骨切除関節形成術(suspensionplasty)であるThompson法を本邦ではじめて導入し改良を重ねてきた6).そして近年副島らにより新たに二重折長掌筋腱とsuture buttonを併用した靱帯再建関節形成術(ligament reconstruction suspension arthroplasty:LRSA)が考案されて以降7),われわれも本術式の追試を行っている.本稿では,本術式の詳細を考察とともに提示する.
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