論述
先天性内反足の内旋歩行
須々田 幸一
1
,
松野 誠夫
1
,
加藤 哲也
1
,
飯坂 英雄
1
,
佐々木 鉄人
1
,
安井 隆弘
1
,
富樫 久夫
2
Koichi SUSUDA
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2国立西札幌病院整形外科
pp.720-724
発行日 1974年9月25日
Published Date 1974/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905042
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はじめに
先天性内反足の足部変形を矯正するためにcorrective cast,後方解離術,後内方解離術などを行い,臨床所見ならびにレ線像にても変形が矯正され,plantigrade歩行が可能となつた後,経過を観察していると歩行の際内旋歩行を示す症例が意外に多い,我々が検討した早期後方解離例では約半数に内旋歩行が見られた,この遺残障害は内反足の再発に影響を与えると考えられ,その予防,治療は重要である.しかるに内反足の内旋歩行に関する詳細な報告は意外に少ない.これら内旋歩行はすべての足変形が矯正され,安定して独歩が可能となつた時点で診断し治療が開始されることが肝要であるが,一方この年齢の患児では,いまだ骨端部に軟骨部分が多くレ線計測をより困難なものにしている.これに対し我々は透視を併用することにより,正確さを期した.
従来より内旋歩行の原因として大腿骨頸部前捻角の増大,下腿内捻,前足部の内転などがいわれてきた.我々は内旋歩行に関係すると思われる因子として,大腿骨頸部前捻角,膝関節捻転,下腿捻転,足関節捻転,距骨捻転,前足部内転を考慮しこれらの程度を計測し,そして歩容を足底圧痕像より計測した.さらに下肢各高位における計測値と足底圧痕像との関係について分析し,その結果から内旋歩行の治療に対する我々の考え方を述べる.
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