視座
先天股脱の手術療法の変遷
片山 良亮
1,2
1東急病院
2東京慈恵会医科大学
pp.719
発行日 1974年9月25日
Published Date 1974/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905041
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たいていの療法は,昔をふりかえつてみると,その時代には脚光を浴び,一通りの役目を果たすが,時が経つと欠点が指摘され,古めかしくなつて,悪口さえ浴びせられながらいつとはなく忘れられてゆく.しかし,先天股脱の手術ではやや趣きを異にして,昔の手術法も何処か良い所があつて,繰り返し繰り返し論ぜられる.したがつて,先天股脱の手術法の研究は常に古くて新らしい課題というべきである.
先天股脱の観血手術は,整復・臼蓋形成・関節包関節形成術・大腿骨骨切り術・骨盤骨切り術などで,それぞれに欠点と取柄がある,単なる観血整復法は,幼児に適応を見出すが,7〜8歳以上になると臼は骨頭を収納するだけの容量がなく,不成功に終る。
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