臨床経験
小児大腿骨変形癒合骨折—旋回転位を中心として
矢野 悟
1
,
沢田 雅弘
1
,
宮本 琢磨
1
Satoru YANO
1
1北兵庫整形外科センター
pp.495-501
発行日 1974年6月25日
Published Date 1974/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905006
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はじめに
小児大腿骨骨折に随伴する変形骨癒合のなかでも,側方,屈曲,軸転位はその旺盛な自家矯正力によりある程度は矯正されると言われている.しかし旋回転位はWeber20),,Schüttemeyer14),Vontobel19)によれば,自然矯正されず,下肢に旋回変形と歩容異常を残し,その結果,将来変形性股関節症を起すと述べられている.旋回転位はレ線的にも捉え難く,臨床的にも見逃され易いためか,その詳細な発表は少く,我国でも宮城10),猪狩4),松野8),糟谷6)等により旋回転位の注意が述べられている程度である.我々は昭和42年より6年間に治療した小児大腿骨骨折を対象として,旋回転位を分析した.今回その結果を報告し,予防法ならびに今後の対策を紹介したい.
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