論述
Condylocephalic nailing(Ender pin)による大腿骨頸部外側骨折の治療法
矢野 悟
1
,
有田 親史
1
,
鈴木 国夫
1
,
奥田 智
1
,
小林 郁雄
1
,
柏木 大治
2
Satoru YANO
1
1北兵庫整形外科センター
2神戸大学医学部整形外科学教室
pp.925-932
発行日 1976年10月25日
Published Date 1976/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905416
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はじめに
大腿骨頸部外側骨折は比較的骨癒合が良好で,保存的治療も可能である.しかし老人の場合,長期臥床による関節拘縮,老人性痴呆,全身衰弱のため予後はきわめて悪化しやすい.これらの対策として,多くの先人により種々の内固定法が開発され,早期関節運動が可能になつた.しかしながら全荷重までには長期間を要し,社会復帰が遅れるのが実状である。従来の内固定法は骨折部を広範に展開するため多量の出血を伴い,老人には大きな侵襲となり,術中,術後の管理面で大きな欠点となつている.私達は以上の点に直面しEnderにより考案されたcondylocephalic nailingを大腿骨頸部外側骨折に適用した.その結果,少ない侵襲で強い固定性が得られ,しかも早期に荷重が開始でき,上述の問題は改善された.今回その術式および症例を報告する.
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