論述
減圧症と骨関節の変化—1.潜水病—その全般的考察
林 晧
1
,
川島 真人
1
,
鳥巣 岳彦
2
,
加茂 洋志
2
,
天児 民和
3
Ko HAYASHI
1
1九州労災病院高圧医療研究部
2九州労災病院整形外科
3九州労災病院
pp.10-18
発行日 1974年1月25日
Published Date 1974/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904934
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減圧症と骨関節の変化に関する研究発表にあたりて
潜水病と整形外科とは長い間あまり関係がないように思つていた.しかし最近になり潜水夫の中に関節障害を起していることが案外多いことにわれわれは驚いた.そしてこれは潜水夫だけでなく高圧下に作業する人たち,すなわちケイソンで建設作業に従事している人たちにも同じような変化が起つていることが明らかになつてきた.これらは主として高圧下から急速に減圧するための障害で,これを一括して減圧症といつているが,ただそれだけではないようである.すなわち長時間の高気圧下の作業が1つの外傷として作用される可能性もある.すなわちbarotraumaであるが,このようなものは減圧下に長時間さらされた場合にも起りうる可能性がある.すなわち航空機による急速な上昇等もこの中に入ってくる,これらは新しい職業病の領域である.そこで九州労災病院高圧医療研究部が中心になり潜水病とそれによつて起る骨関節の変化を数回にわたり解説的な論文を掲載することにした.最初は直接骨関節に関係のない論文であるが,これをご理解願えればその後の論文が理解しやすくなるものと思う.
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