臨床経験
外傷性膝関節後方脱臼について
海村 昌和
1
,
伊勢亀 富士朗
1
,
橋爪 信晴
1
,
石井 良章
1
,
西郷 恵一郎
1
,
末安 誠
1
Masakazu UMIMURA
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.763-773
発行日 1973年9月25日
Published Date 1973/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904887
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はじめに
交通の激化,社会構造の複雑化に伴い,戦時とは違つた意味で,外傷が,われわれの領域においても大きな比重を占めてきた.時には従来全く,あるいは殆んどみられなかつたパターンの損傷に遭遇することもある.外傷性膝関節後方脱臼もこの一つで,われわれの渉猟し得た限りでは,斎藤らの口演以外には,本邦においてその報告をみない.四肢躯幹の大関節で通常最も外傷を被り易いと考えられる膝関節に,このような現実があることは,誠に興味深い.
われわれは長期経過例も含めて,外傷性膝関節後方脱臼の6症例を経験したので,その発生機序を中心に吟味を加え,改めて本症の特微を浮き彫りにし,大方の参考に資する.
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