論述
ポリオ下肢麻痺の肢位調整と足関節固定の効果
松尾 隆
1
,
斉田 耕作
1
,
牟田口 啓介
1
,
岡部 芳博
1
,
河崎 可昭
1
Takashi MATSUO
1
1九州大学医学部整形外科学教室
pp.714-723
発行日 1973年9月25日
Published Date 1973/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904881
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はじめに
脊髄性小児麻痺(以下ポリオと略す)の発生は,ワクチンの開発・普及と共に激減を見たが,いわゆる麻痺の後遺症は今なお広く残存しており,整形外科的に充分な手がつくされているとはいい難い.特に青年期に至つた下肢麻痺患者は,体重の増加と共にその変形拘縮が著明となり,松葉杖歩行や補装具歩行等で恵まれぬ日々を送つているものが多い.
これに対し,これら重い補助具を不用ならしめ,自分の脚だけでの歩行を可能にし,彼等に夢と希望をもたらす事は,整形外科医に残されている課題の一つといえよう.しかしながら,高度麻痺肢での自脚のみでの実用歩行の獲得は,実際上は仲々困難といえ,つい補助具にたよる傾向も強く,その解決は今後の問題といえる.
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