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小児麻痺(ポリオ)について
山田 尚達
1
1北海道大学
pp.53-56
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911339
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まえがき
小児麻痺(ポリオ)は相当古くからあつた病気のようで,西暦紀元前からすでに存在していたというものもあるが,その明確な臨床報告は,英国で1795年,イタリーで1813年,印度で1823年等であつて,今からせいぜい百数十年前のことである。また1836年にはセントヘレナ島に本症の流行があつたと記されているが,その後1905〜6年および1911〜13年のスカンジナビアの大流行をはじめとし,ヨーロッパ,北米の各地に流行をくりかえしている。わが国でも明治の終りごろには京阪,中国,九州等に少数例の発生が報告されているが,昭和13年関西地方にやや大きな流行をみ,また最近では毎年のように各地に地方的流行を起すようになつた。昨昭和35年には北海道に患者実数1588名(そのうち死亡106名)という大流行をみたことは御承知のとおりである。
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