論述
転跡線移動方式断層撮影法(Roulettes tomography)による慢性関節リウマチ患者の環軸関節の観察
所 忠
1
,
住田 篤彦
1
,
久野 孝幸
1
,
井島 章寿
1
,
今泉 司
1
,
丹羽 滋郎
1
,
棈松 紀雄
1
Tadashi TOKORO
1
1名古屋市立大学医学部整形外科学教室
pp.551-560
発行日 1973年7月25日
Published Date 1973/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904859
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)患者の大部分は,何らかの頸肩腕部の痛みおよび肩凝りなどの愁訴を有するものが多い.また,稀ではあるが,脊髄や延髄の損傷により死の転帰をとる場合がある.これらの臨床像とRA患者の頸椎のレ線変化についての研究は多くなされているが,従来の研究方法では,RA患者の頸椎の可動性制限,骨粗鬆症,開口不全,義歯の存在などにより十分なレ線所見が得られない場合が多く,詳細なる検索がなされていない.ことに断層撮影による環軸関節のレ線変化についての報告は少ない.
我々は,環軸関節のより詳細な変化を追求する目的で,転跡線移動方式断層撮影法(以下Roulettes Tomography)により観察し,臨床症状との関連並びに骨関節の変化の推移の把握を企画し研究を行なつているが,今回は断層撮影所見を中心に報告する.
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