論述
膝内障に対するPes Anserinus移行術の経験
伊藤 恵康
1
,
小山 明
1
,
高橋 惇
1
,
長沢 正彦
1
,
久保井 二郎
1
,
宮本 建
2
Yoshiyasu ITOH
1
1静岡赤十字病院整形外科
2佐野厚生病院整形外科
pp.36-42
発行日 1973年1月25日
Published Date 1973/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904790
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はじめに
膝関節は,屈伸運動に加えてscrew-home movementといわれる回旋運動が行われる事により,動的,静的な安定性を得ている事は衆知の事実である.しかしながら,従来より行われている手術によつて,一度靱帯損傷を受けた膝関節に対し,十分な可動域を持ちつつ,十分な安定性を与える事は困難な場合も少なくなかつた.この原因の一つには,前後左右への安定性に加えて,十分なscrew-home movementの再獲得の困難さが挙げられよう.
最近われわれは,Slocumの回旋不安定性(Rotatory instability19))の概念と,それに対する鵞足移行術(Pes anserinus transplantation,以下PATと略記する)を知り,興味を持つたので,症例を選び,7例に手術を行い,いささかの知見を得たので報告する.
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