臨床経験
Larsen症候群の経験
岡 義範
1
,
小山 明
1
,
高橋 惇
1
,
三笠 元彦
1
,
伊藤 恵康
1
,
石井 良章
2
Yoshinori OKA
1
1静岡赤十字病院整形外科
2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.818-825
発行日 1975年9月25日
Published Date 1975/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905243
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はじめに
日常の整形外科臨床において経験する先天奇形の中で,多発性関節脱臼に遭遇する頻度は誠に少ない.1950年Larsenらは先天性多発性関節脱臼を主徴とし,骨格の変形と特微ある顔貌を伴う症例を報告した.爾来欧米では数例の報告を見るが,本邦ではわれわれの渉猟しえた範囲では,松葉ら(1970)の類似例,小池ら(1971)の1例およびわれわれの口演より約1年後に発表された塚田ら(1973)の報告例を見るにすぎない.Latta(1972)の命名による"Larsen症候群"なる呼称は,いまだ日が浅くその命名基準も定かでない点があり,類縁疾患との関連性にも間題がある.今回われわれは本症候群と思われる症例を経験したので,文献例も含めて検討し,その命名を中心に考察を加える.
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