論述
Myelomeningoceleと整形外科的問題
山根 友二郎
1
Tomojiro YAMANE
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.962-972
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904773
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はじめに
Myelomenigoceleをもつて生れた患児における神経麻痺による脊椎,股関節,膝関節,足関節等の脱臼や変形の問題はワクチンの普及により減少したポリオに代つて新しい整形外科的問題として大きくクローズアツプされてきつつある.それは麻酔学の進歩と手術手技の改善及びAfter careの改善により,本症に対して早期に手術が施され,患児の生き伸びる率が大きくなつたことに他ならない.
さてMyelomeningoceleの定義は病理学と臨床とでは相違がある.病理学では第1図のごとく分類される.臨床的には,脊椎披裂とMeningesのCystic distensionがあるがSpinal cordの病理学的変化がないものをMeningoceleといい通常,神経症状を伴わない.一方,脊椎披裂とMeningesのCystic distensionに加え,Spinal cordの病理学的変化を伴い通常,神経症状を伴うものをMyelomeningoceleという.従つて第1図のB,C,Dは総称してMyelomeningoceleといわれる.
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