Japanese
English
特集 マルファン症候群
整形外科的諸問題とその治療
Orthopedic Problem and its Treatment in Patients with Marfan Syndrome
田中 雅人
1
Masato Tanaka
1
1岡山大学病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Okayama University Hospital
pp.1121-1126
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101364
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
マルファン症候群はフィブリリン遺伝子(15q21)の変異が原因1)とされる遺伝性結合組織であり,発生頻度は人口1万人に対して約1人とされている2).主として骨格系,眼球,心血管系異常を呈し,Ghent診断基準(Paepeら,1996)3)で大診断基準2つと小診断基準1つで確定される.マルファン症候群には多種の骨格系の異常を認めるが,一言で表現すると細長い体型(dolchomorphism)であり,四肢と体幹の両方に認める.整形外科的に最も問題となる変形は脊柱側弯症であり,その発生頻度は約60%とされている4~6).側弯のカーブは硬く,変形は矢状面のアンバランスが強く,進行性であることが問題とされてきた5).また併存する心血管系の異常のために,手術のリスクは比較的高いことがこれまで指摘されてきた4).
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.