論述
骨損傷の循環血液におよぼす影響について
高木 直
1
,
桜田 允也
1
Tadashi TAKAGI
1
,
Nobuya SAKURADA
1
1済生会神奈川県病院整形外科
pp.913-917
発行日 1972年11月25日
Published Date 1972/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904764
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はじめに
最近,交通事故や,産業に伴う事故の発生頻度は高く,惹起される骨損傷も種々様々であり,その損傷程度と全身状態の正確な把握は,しばしば困難である.第2次大戦後,ショックに対する研究が長足の進歩をとげた結果,出血は全身状態悪化の重要因子であることが結論づけられた.そして,ショックの概念が,主要臓器を含む全末梢組織の血液灌流不全であることが明らかである以上,血液量不足を知るのに,中心静脈圧や右心房圧の測定は有効であるが,循環血液量および,心拍出量の測定も,全身状態に対して,正確な指標となり得る.今回,われわれは,循環血液量の経時的変動を知り,局所および全身状態の動向を知る一助とした.
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