視座
骨肉腫の治療
伊丹 康人
1
1東京慈恵会医科大学整形外科
pp.873
発行日 1972年11月25日
Published Date 1972/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904759
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骨原発性悪性腫瘍,とくに骨肉腫の根治的治療法としては,早期切断が唯一無二のものとして,常用されてきたことは今さら申すまでもないことである.また,いかに早期に切断しても,すべてが肺転移で死亡し,原発巣の再発はほとんどないという事実を見せつけられるにつれ,その原因を切断時の血行転移にあるとして,double tourniquetによる術式が推奨されたのも遠い昔ではない.
しかし,早期切断における5年生存率はLichtensteinの5%からPlatt24%のごとく,報告者によりかなりの幅があるとはいえ,Locksinの集計のごとく,過去30年間の生存率は全く改善されていない.報告者による5年生存率の幅の問題は,誌面の関係からさておくとしても,従来の早期切断という考え方では,生存率の改善は到底得られるものではない.
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