論述
上腕骨骨幹部骨折に対する逆行性髄内釘法
望月 義紀
1
,
平川 寛
1
,
渡 貞雄
1
,
河村 圭了
1
Yoshinori MOCHIZUKI
1
1中国労災病院整形外科
pp.613-619
発行日 1972年8月25日
Published Date 1972/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904719
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はじめに
上腕骨骨幹部骨折は,介達外力によるものもあるが,打撲・衝突などの直達外力によることが多い.また上腕骨の骨折型のうちラセン骨折のほとんどが,投球,腕相撲など介達外力によるとされ,直達外力に多い横骨折は,大腿骨・脛骨骨幹部骨折などとともに,成書には仮関節を形成しやすいといわれている.一方,上腕骨骨幹部の中・下1/3は,橈骨神経が骨に接しているという解剖学的な条件もあるところから,これを一次的にあるいは,二次的に損傷して橈骨神経麻痺を合併することもある.したがつて,本骨折は長管骨骨折のなかでは比較的頻度の低いものではあるが,その治療は,臨床上重要な意義をもつている.
ところで,上腕骨骨幹部骨折の治療は,その骨折型により,保存的には直達牽引法をはじめHanging cast法の考案をみ,また手術的に,鋼線締結,螺子固定,plate固定,髄内釘法など種々な方法が行なわれている.
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