増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル
外傷編
上腕—肘の外傷
上腕骨骨幹部骨折
島村 安則
1
Yasunori SHIMAMURA
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科運動器スポーツ医学講座(整形外科)
pp.465-467
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201986
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
上腕骨骨幹部骨折を疑う事前情報
疼痛部位・変形:上腕中央付近での腫脹ならびに強い疼痛を認める.時には「肩痛」「肘痛」などの主訴で来院することもあるため,上腕骨近位部ならびに肘関節部を直接触診し,同部に痛みがないことを確認する.なお多発骨折の場合では骨折部で大きく変形・回旋していることもあるが,単発骨折の場合は上肢の自重により比較的外観上の変形は少ない.
受傷機転:本骨折は主に2つの受傷機転がある.1つは交通事故や墜落など高エネルギーにより生じる場合である.もう1つは野球における全力送球や腕相撲といった,上腕の捻転力によるものである.したがって比較的若い年齢層に発生しやすいとされるが,高齢者など骨脆弱性を伴う場合にも生じることがある.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.