検査法
系統的骨疾患の鑑別診断
真角 昭吾
1
Shogo MASUMI
1
1北里大学医学部整形外科
pp.702-716
発行日 1971年8月25日
Published Date 1971/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904583
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はじめに
ひとくちに系統的骨疾患といつても先天性遺伝性のもの,代謝性骨疾患,内分泌障害による骨変化,腫瘍的性格を帯びたもの,臓器異常による二次的なものなど多様な病因に基づくsystemic,general,multipleの骨変化の総称であるから,鑑別診断は必らずしも容易ではなく,また比較的稀な疾患も数多く含まれているので診断に習熟する機会も少ないことと思う.ここでは日常遭遇することの多い骨疾患のX線所見を中心として診断の要領をまとめてみたい.特異な病像から臨床所見,X線所見のみで診断可能な症例もあるが,これらの所見がscreeningとしての意味しかなく,生化学,内分泌機能,遺伝性,組織検査など総合判断を必要とする症例も少なくない.的をしぼつた一定の診断手順をふみ,いろいろな検査結果を吟味して,鑑別の範囲を狭めていくことが大切である.
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