論述
先天股脱に対する減捻内反骨切り術,臼蓋形成術の治療成績
赤星 義彦
1
,
森 英吾
2
Yoshihiko AKAHOSHI
1
,
Eigo MORI
2
1岐阜大学医学部整形外科学教室
2京都市民病院整形外科
pp.675-692
発行日 1971年8月25日
Published Date 1971/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904581
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いとぐち
先天股脱の治療法は幾多の歴史的変遷を経て,解剖学的治癒を得るためには新生児期治療を行なうべきであるとの結論に集約され,その成績も1960年代に入つてからVon Rosen, Barlowらによつて立証された感がある.本邦でも新生児検診治療が行なわれてはいるが,現時点では社会医療機構における俗路と啓蒙普及が不十分なため依然として乳児期治療例がもつとも多く,2次的変形や整復障害を伴う遺残性亜脱臼は少なからずみられる.
このような難治性先天股脱をいかに取扱うべきかは難しい課題であるが,従来報告されてきた減捻内反骨切り術,臼蓋形成術による補正手術の近隔成績を過信して,あまりにも適応を拡大して安易に手術的治療が行なわれている傾向も否定できない.
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