論述
植え込み電極法の整形外科的応用—とくに麻痺性尖足に対する臨床応用を中心として
玉置 哲也
1
Tetsuya TAMAKI
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.262-268
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904530
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はじめに
銅と亜鉛とで作つた電気ピンセットを,カエルの筋肉または神経に触れると,その筋肉またはその神経の末梢の筋肉は収縮する.
18世紀末にGalvaniによつて観察されたこの生体が電気によつて刺激され興奮するという現象は,逆に生体からも電気が発生していることを証明する手がかりともなり,近代の神経生理学の飛躍的な発展の礎ともなつた発見であつた.当然のことながら,この現象は臨床医学の領域にも広く応用が試みられてきており,電気刺激を与えて神経あるいは筋肉を興奮させるという面のみを考えても,現在すでに治療面に実用化されている方法も少なくない.その2,3をあげれば,低周波治療,超低湖波治療,平流療法,などがあり,さらに心臓ペースメーカー,徐細動装置などは,この生体の電気に対する被刺激性を人体の機能的な問題の解決に応用したものである.
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