特集 整形外科症例集
麻痺性尖足にたいする後脛骨筋移植術の成績
室田 景久
1
,
米本 恭三
1
,
田辺 恵造
1
,
木島 英夫
1
1慈恵会大学医科整形外科
pp.1395-1398
発行日 1963年10月20日
Published Date 1963/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203189
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緒言
後脛骨筋を足前面に移植するには移植腱を下腿内側を迂回させる方法としてOber(1933)らの報告をみるが,最近Lipscomb(1961)らによる外傷性腓骨神経麻痺の10例について記載がある.また,骨間膜を通す方法としては1936年すでにDurahamの考案をみるが,近年Watkinsらにより良好な結果の報告をみる.本手術は主として脊髄性小児麻痺,あるいは外傷性腓骨神経麻痺による内反尖足を適応としてきたが,その他の原因による弛緩性痙性・麻痺による内反応尖足にも適応がある.
われわれの教室で昭和26〜33年間に脊髄性小児麻痺による尖足に後脛骨筋移植術を行なつたものは8例9関節であるが,術式は骨間膜を通つて足背に導いたものと,下腿の内側を迂回させたものとがある.ただし後脛骨筋の移植部位は変形の状態により適宜決定した.今回調査し得たものは6例7関節である.観察期間は最短3年2ヵ月,最長10年で平均5年6ヵ月である.成績の判定はWatkins等の判定にしたがい,次の4段階に分けた.
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