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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-116
頸部脊髄刺激療法(外科的パドル電極植え込み術)
Cervical Spinal Cord Stimulation: Surgical Implantation of Paddle-lead System
矢野 俊介
1
,
笹森 徹
1
Shunsuke YANO
1
,
Toru SASAMORI
1
1札幌麻生脳神経外科病院
1Sapporo Azabu Neurosurgical Hospital
pp.673-679
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201452
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適応疾患
脊髄刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は1967年に初めて行われた神経障害性疼痛に対するニューロモデュレーションの一法で,近年刺激電極の改良や刺激方法の多様化により治療効果は向上している.
適応疾患は広義には難治性慢性神経障害性疼痛であるが,その原疾患により効果はさまざまである.RCTによるエビデンスから,国際疼痛学会や国際ニューロモデュレーション学会では脊椎手術後症候群,複合性局所疼痛症候群(type-1)を推奨疾患としている.本邦では,慢性疼痛治療ガイドライン(2018)でSCSを施行することを強く推奨する疾患を脊椎手術後症候群,末梢血行障害,弱く推奨する疾患は有痛性糖尿病性末梢神経障害とし(以上,エビデンスレベルB),中枢性脳卒中後疼痛,多発性硬化症による四肢の痛み,脊髄損傷後の痛み,複合性局所疼痛症候群(type-1),幻肢痛などが弱く推奨する疾患となっている(エビデンスレベルC).しかし,症例数が少ないためにエビデンスが乏しい疾患群でも効果がある例もあり,難治性慢性神経障害性疼痛であれば試験刺激を行ってみる価値はある.なお,新たな刺激方法(burst刺激や高頻度刺激)では腰痛に対する効果も期待されている.
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