臨床経験
先天性軟骨肉腫の1例
阿部 光俊
1
,
清水 淳
1
,
小林 登
2
,
奥村 彰子
2
Mitsutoshi ABE
1
1東京大学医学部整形外科
2東京大学医学部小児科
pp.1015-1018
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904303
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先天性悪性腫瘍は元来稀なものであるが,Wilms腫瘍,神経芽細胞腫,腎混合腫瘍,網膜芽細胞腫等については比較的多くの交献が散見される.これに比べて四肢に原発した肉腫の発生はさらに稀である.Fahey1)(1953)は自験例およびそれまでの発表例2,3,4)18例について簡単に述べているが,このうちでは線維肉腫が最も多く,他に骨原性肉腫,脂肪肉腫,血管肉腫などの症例があつたと述べている.その後も軟部組織の先天性線維肉腫についてはStout5)(1962)4例,原6)(1966)1例等の発表があるが,先天性軟骨肉腫に関する文献は著者が渉猟した限りでは見出せなかつた.
われわれは最近いろいろな奇形を合併した先天性上腕骨軟骨肉腫を経験したので報告する.
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