今月の表紙
軟骨肉腫
諸(前川) 傑
1
,
町並 陸生
1
1東京大学医学部病理学教室
pp.979
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901315
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軟骨肉腫は骨肉腫に次いで多い骨原発の悪性腫瘍であり,骨肉腫に比して,その悪性度は低い.組織学的にも細胞密度が他の肉腫に比して低い.30歳以上の成人の骨盤に好発する.組織学的には,軟骨細胞の密度の増加,核の腫大,二核の細胞などがみられる.左上の図は骨端軟骨の正常な軟骨細胞で,右上の図では画像解析装置により,核面積を測定するため,核が緑色に変換されている.その核はpyknoticで,核面積の平均値は10.127μm2であった.左下の図はmyxoidな軟骨肉腫で,細胞密度はやや高く,核は腫大し,核内構造がよくわかる.二核の細胞もみられる.画像解析装置を用いて核面積を求めるため,右下の図では核が緑色に変換されている.その核面積の平均値は24.015μm2であった.軟骨肉腫の核面積の平均値は正常な軟骨細胞のそれに比し約2倍の大きさであった.
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