質疑応答
ミエログラフィーの適応と実施上の注意について
岩原 寅猪
1
1慶大整形外科
pp.118
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904186
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ミエログラフィー yelographieは脊髄造影法と直訳される筈でありますが,ミエログラフィーで実際やつていることは脊髄液腔の造影であります.いうなれば脊髄液腔を造影して間接的に脊髄の病態を知ろうというわけであつて,かつてわれわれがミエログラフィーを脊髄液腔造影法といわないで,あえて脊髄造影法と直訳したのはこの直訳がかえつて真意を表わしているからであります.すなわち,ミエログラフィーとはこれによつて脊髄液腔の状態を描き出し,描き出された影像から脊髄液腔の通過障害の様態を読み判け,脊髄の病態を読み解く補助診断法であります.
あえて補助診断法といいます.そのいみは,ミエログラフィーには必ず神経学的診断が先行しなければならないということであります.神経学的診断を省いたり,粗末にしたりする所にはミエログラフィーは無いはずであります.ミエログラフィーは神経学的所見のうえにたつて行われ,神経学的所見を裏付けあるいは補う役目をするものであります.どこまでも補助診断法であるということを忘れないでいただきたいものであります.
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