検査法
先天性股関節脱臼関節造影法の実技
津山 直一
1
,
坂口 亮
1
1東大医学部整形外科
pp.111-117
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904185
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はじめに
先天股脱の治療が,脱臼骨頭を如何に整復するか,整復されたものを如何に保持するかという点から先ず出発して,次に整復は非暴力的に,而も骨頭と股臼との適合をよく,即ち求心位が得られるように,そして保持の方法は許される限り寛容な固定で,という方向に次第に進んで来た,求心位獲得が将来の成績をよくするために必須のことであり,これを阻むものをみつけ出して除去する努力が払われている.このように脱臼股の本態を捉えて,それに応じた適切な方法を行なうことのためには,股関節造影法は大きな役割を持つている.
先天股脱に対する股関節造影法の歴史は,高木(1926)が空気を使用して行ない(現今でも尚我々の間では「ガス入れ」なる略称が愛用されている.)Sivers(1927)が陽性造影剤を使用して試みたあたりが最初とされ,その後多数の業績が積み重ねられたが,詳細にはふれず,本稿では,現今我々が股関節造影をどのようにして行なつているか,主としてその方法を具体的に述べ,それに関係する問題の幾つかについて考えてみたい.
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