シンポジウム 脊髄損傷
脊髄損傷患者の初期治療
大石 昇平
1
1大阪労災病院
pp.15-22
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904175
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いとぐち
第2回車椅子スポーツ医学研究大会が別府で開催され,これを機会に日本パラプレジア医学会を発足させるからということで,脊損患者の初期治療について,シンポジウムの担当者となるよう,関係者の方から連絡をうけたのは学会1ヵ月前であつた.準備期間も少くとりあえず現在われわれの直接管理下にある脊損患者95名について調査しこの成績を基礎として何とかその責を果すべく関係方面へ御返事申しあげた次第である.
他の労災病院の状況は分らないが,われわれの病院では新鮮な患者を取扱うことは比較的少く,第一線の病院や診療所で,その初期治療を実施して一応症状が固定した時期に収容されてくることが多い.従つてここに述べる脊損の初期治療の症例の大部分は大阪周辺の大学をはじめ,公私立病院,診療所におけるものであり,これに自家症例を加えて,これらを比較検討するわけであり,その意味で手術所見,術前の症状などその詳細が不明な部分もあり,その統計的な数字もいささかGrobeである点を先ずお断りしなくてはならない.
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