論述
慢性関節リウマチの金療法
伊藤 久次
1
Hisaji ITOH
1
1国立伊東温泉病院
pp.760-767
発行日 1969年10月25日
Published Date 1969/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904133
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はじめに
慢性関節リウマチの治療は容易ではなく,ことに治療剤には決定的のものはまだないために金製剤の効果が改めて注目され,その価値が再認識され,わが国治療界でも取り上げられたのは,この10数年来のことである.しかし実際上は金療法の作用機転もまだ明らかでなく,その効果は遅効性であり,副作用もあり,中には使い方や適応性の選び方が分らないなどその他の条件が重つているためか,社会保険の薬価基準中にも昭和38年1月より収録されているにもかかわらず,リウマチ専門家以外には一般医家にはあまり普及しているとは思われない現状である.私はここに最近までの金療法に関する交献を通覧し,またリウマチ学会方面の動向を紹介し,私自身の臨床経験を併せ述べて諸賢の治療上の参考に供したい.
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