論述
関節リウマチの治療—長期金療法を中心に
棈松 紀雄
1
,
宮坂 忠篤
Norio ABEMATSU
1
,
Tadaatsu MIYASAKA
1信州大学医学部整形外科学教室
pp.926-930
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904485
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
関節リウマチ(以下RAを略す)は非常に多い疾患であるにもかかわらず,その本態が明らかでなく,したがって治療法も確立していないのが現状である.日常RAの治療にあたりとくに痛感することは,病状を正確に把握し評価しにくいことと,治療のスタンダード化が困難であるということである.病状の評価にはSteinbrocker,Lansburyをはじめ多くの基準が提唱されているが,いずれも十分とはいえない.また治療法も薬物療法を中心とした全身療法,滑膜切除術を中心とした局所療法(手術療法)に加えて広義のリハビリテーションを加味するというレールが敷かれているが,個々の症例により治療による反応のしかたが異なり,case by caseの治療を行なわざるをえない傾向がある.
広く行なわれている薬物療法にしても非常に多くの薬物があり,一方新しい薬剤が現れては消えるという現象がくりかえされている.たとえば一時全盛をきわめた副腎皮質ステロイド剤も,現今では主流から除外されていることは周知のとおりである.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.