視座
長期関節固定の恐しさ
池田 亀夫
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.759
発行日 1969年10月25日
Published Date 1969/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904132
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先天股脱の治療において幼若股関節を長期間にわたつて固定すると,好ましからざる結果を招来することは周知の事実であり,Pavlikらによる運動許容療法発展の一理由でもある.しかしながら,この治療法の理念は主として思惟的,経験的なものであつて,基礎的,実験的事実に立脚したものとはいえない.
もともと,関節は運動に最も適応するように構成されており,これに反して固定は関節機能を障害し,その退行変性を促進し,変形性関節症発生の起点となることは幾多の臨床研究によつても明らかにされている.
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