臨床経験
Marfan症候群の生化学的問題点について
三橋 稔
1
,
大木 健資
1
Minoru MITSUHASHI
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.188-194
発行日 1969年3月25日
Published Date 1969/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904048
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はじめに
Marfan症候群は1896年フランスの小児科医Marfan7)によつてdolichostenomelia(long,thin extremities)として始めて記載されてからすでに文献上数百例に及ぶ報告があり,本邦文献だけでも200例近くに達し,決して稀有なる疾患ではない.家族的発生をみた報告も多く,McKusick8)は74家系を集め得たという.また,アメリカ第16代大統領A. LincolnがMarfan症候群の家系であつたことはあまりにも有名である18).
本症はすでに整形外科のみならず眼科,小児科,内科の各科から報告があり,それぞれ専門的立場における病態の詳細な記載をみるが,その中にはMarfan症候群の主徴候の不充分なものや詳細な所見を知り得ないものも散見する.
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