論述
先天性股関節脱臼に対するRiemenbügel法の問題点
赤坂 勁二郎
1
Keijiro AKASAKA
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.180-187
発行日 1969年3月25日
Published Date 1969/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904047
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先天性股関節脱臼(以下,先天股脱と略する)の治療の歴史のなかにあつて,Lorenzの創始した整復法,固定肢位は文字通り画期的なものとしてその後長く今日にいたるまで広く常用されてきているが,年月の経過とともにその治療成績は最初に期待されたほどかんばしいものではなくなることがSeverinの広範な調査をはじめとする諸家の報告によつて指摘され,すべての整形外科医のいだく最大の悩みの一つとなつている.
跛行を主訴として医治を乞うて来たような年長児の脱臼に対する瞬間的整復,その後,時として1年になんなんとする,創始者によつてさえultra-unphysiologischと表現された肢位での固定の両者によつて惹起された骨頭の傷害が,変形性股関節症へ発展し治療成績の低下を招く元凶と目されて多くの対策が考え続けられてきた.
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